5. 美しいシュタイン
君のことを考えた時間
きみのことを想う日々
すべて砂になった
土くれに生えた緑の羽が
彼方まで流れる雲に運ばれ
寂寥(せきりょう)にぶつかって散る
光からはじかれて
暗闇にはとけこめず
海に沈むのは
美しいシュタイン
君はいつか山になる
断頭台も目を閉じる
土気色の顔が落ちては積もる
掌中をくだく惑星の末路だ
幾百億はかない意識の火花も
個を失し ひとつの細胞となる
鍵盤がはじかれて
船は旅立った
最後まで残るのは
美しいシュタイン
はじけてきえた
美しい星よ
空にかえるのは
美しいシュタイン
からだに降り注ぐいのちの星が
さらさら溢れ落ちてしまうのを
きょうまでずっとたすけてくれたよね
胸に咲いた勇気の花が
頭を落としても
新しい鼓動で揺れ動く
君の手のひらに 美しいシュタイン
Poem
原詩:『Nine Poems あいのための9つの詩』(2025年5月2日)